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津波警報で職場から避難!そのときに怪我をしたら“労災”といえますか? [保険]


【Q】仕事中に津波警報が発せられたので急いで職場から避難所に逃げたのですが、その途中、津波により怪我をしました。労災保険から保険金が支払われますか?

【A】避難することは仕事(業務)に付随する行為であり、避難中の怪我(死亡した場合も含む)は業務災害として労災保険から保険給付を受けることができます


〔ちょっと解説〕

 労災保険(労働者災害補償保険)は、仕事中又は通勤中に起きた労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して保険給付が行われます。

 仕事中に起きた労働者の怪我や病気は「業務災害」といわれますが、業務災害は業務(仕事)が原因となって生じた災害でなければなりません。そうすると、地震や津波など自然災害によって被災した場合、自然災害が直接の原因ですから業務災害とはいえず、保険給付を受けられないとも考えられます。

 しかし、厚生労働省は東日本大震災において、「仕事中に地震や津波に遭い、怪我をされた(又は死亡された)場合、通常、業務災害として労災保険の給付が受けられます」との見解を明らかにしています。ただし、勤務時間中であっても仕事以外のプライベートな行為をしていた場合には業務災害とはいえませんから、保険給付を受けられません

 これは、職場の建物が地震によって倒壊したり津波に飲み込まれたりするなど危険な環境で仕事をしており、これが原因となって怪我をしたのだ、と考えることにより業務災害と認めるものであり、被災者保護を重視した見解です。

 このように考えると、避難中の怪我も同様に扱うことができます。仕事中に地震があり倒壊や津波に飲み込まれる危険がある職場の建物から避難することは、仕事(業務)に付随した行為といえますから、避難の途中で生じた怪我は業務災害と認められます。津波による怪我でも転んで生じた怪我でも同じですし、死亡した場合も含まれます。したがって、避難行為中の被災の場合、労災保険が適用されて保険給付を受けることができます


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