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26万アクセス達成。夫は遺言で妻と子供にどんな不動産権を与えたのだろうか? [アメリカ法]

このブログは今週、累計26万アクセスを超えた。国際弁護士が法や政治、国際情勢などを語るまじめな内容であるのに、毎日たくさんのアクセスをいただき、感謝の意を申し上げたい

さて、アメリカは遺言大国であり、「遺言なくして相続なし」と言われる。万が一に備えて遺言を作成したい、という20代の若者も法律事務所を訪れてくるほどである。そうはいっても、遺言を作成するために弁護士に相談に来る世代は、多くの場合、やはり中高年である。

例えば、ある土地を所有している夫Hが弁護士に、「自分の土地について、妻Wの生存中は妻に土地の権利を与え、妻の死後は娘Dに土地の権利を与えたい。ただし、Dが結婚したら息子Sに土地の権利を与えたいのだけど、このように相続させるにはどんな遺言書を作成すればいいのでしょうか?」と尋ねた。

そこで、弁護士は、Hの希望に沿うようにするため、次のような文言を含む遺言書(will)を作成した。

「H devises the premises to W for life, then to D and her heirs, but if D gets married, then to S and his heirs.」

確かに、このような文言であれば、Hの希望どおりに土地の権利をW,D,Sにそれぞれ遺贈することができる。それでは、Hが死亡したときW,D,Sの三人が生存し、Dが未婚であった場合、この遺言によってW,D,Sはそれぞれどんな権利(不動産権)を取得することになるのであろうか。選択肢(1)~(4)のうち正解と思われるものを一つ選んで欲しい。

(問1)Hの死亡時にWが取得する権利は、次のうちどれか。
(1)Tenancy at will
(2)Tenancy for years
(3)Fee simple determinable
(4)Life estate

(問2)Hの死亡時にDが取得する権利は、次のうちどれか。
(1)Executory interest
(2)Fee simple subject to executory interest
(3)Fee simple subject to condition subsequent
(4)Vested remainder subject to total divestment

(問3)Hの死亡時にSが取得する権利は、次のうちどれか。
(1)Executory interest
(2)Remainder in fee simple
(3)Fee simple absolute
(4)Possibility of reverter

この問題は、アメリカ不動産法の基盤であるエステート制度を理解していれば簡単な問題であるが、見慣れない英単語が連なっているため、なかなか手ごわい。アメリカの法務に携わっている人でも、エステート制度が日本人には難解であるため、自信をもって答えられる人は少ないであろう。また、アメリカ弁護士を目指している人であれば、このような問題が解けるようになれば、夢に一歩近づいたといえる。試験問題を解くつもりで、この連休中にチャレンジしてみてはどうだろうか。

詳しい内容を知りたい方は、今月26日開催の下記の“アメリカ不動産法セミナー”にぜひ参加していただきたい。

「ここが重要!アメリカ不動産法の英語のつぼ ~日本人には難解なエステート制度を克服する~」
http://www.kinyu.co.jp/cgi-bin/seminar/241413.html

なお、セミナー主催者の金融財務研究会のホームページは下記をご覧いただきたい。
http://www.kinyu.co.jp/index.html

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