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今朝のテレ朝“モーニングバード”で“レディ・ガガ訴訟”のコメントをしました [閑話休題]


みなさん、今朝、テレビを見ましたか?

私はテレ朝“モーニングバード”で、現在来日中のレディー・ガガさんを訴えた裁判についてコメントをしました。
ご覧になりましたか?

アメリカの超人気歌手ガガさんは、東日本大震災の被災者支援のためにリストバンドを販売し、その収益金を全て義援金として被災者に寄付すると宣言していました。しかし、米国ミシガン州在住の女性は、「ガガさんは約束に反して全額を被災者に寄付していない」と主張し、ガガさんや関連会社など7社を相手に、代金の返還と損害賠償を求める訴訟をミシガン州の連邦地裁に起こしました。

この原告の代理人となっている法律事務所は“1-800-LAW-FIRM”です。この事務所のアリソン・オリバー弁護士は、「われわれがこの訴訟を提起した目的は、ガガさんの活動の不正行為を明らかにし、収益金全額が義援金として日本の被災者に届けられることです」と語っています。

オリバー弁護士らが主張する“不正行為”とは、次のような内容です。

①全額を寄付すると約束したにもかかわらず、リストバンド本体の売上金の一部のみを義援金としている。
②リストバンドの米国内向け送料として3.99ドルを請求しているが、本来0.5ドル程度で済むので過剰な請求である。
③寄付では通常免除される売上税を徴収している。

私がこのニュースを最初に知ったとき、5ドル(約400円)のリストバンドでわざわざ訴訟を起こすのはどうしてだろうか、と疑問に思いました。たとえ原告が勝訴しても、得られる金額はぜいぜい数百円程度。アメリカの訴訟費用は通常、数百万円くらいかかるので、全く経済的に見合わない訴訟になります。有名人のガガさんを訴えることで法律事務所が世間の注目を浴び、宣伝効果を狙っているのかな、なんてうがった見方をしてしまいました(実際、この法律事務所のホームページには早速、ガガさんを相手に訴訟を提起したことを発表し、動画を載せています。通常、法律事務所はこのようなことを好んでしませんから、訴訟を利用した宣伝と捉えられるおそれがあるでしょう)。

でも、やっぱりオリバー弁護士が言うとおり、ガガさんの活動に不正行為があったかどうかを明らかにするのが訴訟の真の目的だろうと思います。“1-800-LAW-FIRM”という法律事務所は、ミシガン州デトロイト近郊にある“サウスフィールド”という小さな町にありますが、全米各地の法律事務所とネットワークを築き、ミシガン州だけでなく全米にわたる事件や訴訟にも対応できるようにしています。そして、そのような事件として特に力を入れているのが“消費者問題”で、詐欺などの不正な取引から消費者を守ることを使命の一つとしています。過去にも数件、消費者保護のための集団訴訟を提起した実績があります。

今回のガガさんに対する訴訟も、現段階ではまだ少数のリストバンド購入者が原告ですが、将来的には米国内の全ての購入者が訴訟に参加できる集団訴訟に持ち込む予定です。もし集団訴訟になれは、おそらく数十万人という原告団が形成され、勝訴すれば数億円を勝ち得るかもしれません。そうであれば、消費者保護のため訴訟をする意義やインパクトは大きいですし、訴訟費用も十分に回収できます。この法律事務所は、このような見通しで訴訟を提起したようです。

“1-800-LAW-FIRM”のホームページによると、ガガさんの活動の不正行為を示す証拠があると述べています。どんな証拠なのか、この裁判の行方はどうなるのか、注目されます。


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