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北朝鮮の“したたか外交”のターニングポイントは韓国総選挙と大統領選 [外交・国際関係]


米国と北朝鮮は、北朝鮮が米国からの食糧援助と引き換えにウラン濃縮活動や核実験、長距離ミサイル発射を一時停止することで合意した。しかし、両国の共同声明という形ではないため「合意」というより「共通の認識に至った」という程度のものといえよう。北朝鮮は過去に何度も約束を平気で反故にしており、合意であれ何であれ、北朝鮮にとっては何ら拘束力がない

「核」カードを小出しにして食糧支援などを得るという外交手法は、金正恩体制になっても以前と変わりない。人口約2000万人の小国で食糧もエネルギーも不足している貧困国が超大国の米国と対等に交渉できるのは、ひとえに「核」があるからだ。核武装は亡き金正日総書記の最大の功績であり、金正恩体制もこれを切り札とする瀬戸際外交を行っている

ターニングポイントはいつ来るのであろうか。おそらく韓国で行われる来月の総選挙と今年12月の大統領選挙であろう。韓国の李明博大統領は北朝鮮に対して非常に厳しい政策をとり続けているが、今のところ支持率が低下しており大統領選に勝利できるか不透明である。総選挙や大統領選において野党が勝利し、北朝鮮に友好的な「太陽政策」が復活すれば、朝鮮半島の状況は大きく変わる。特に、北朝鮮が中国、ロシアに加え韓国からも協力を得られるならば、6カ国協議における力学のバランスが崩れ、米国と日本は北朝鮮との交渉がやりにくくなる。そうなれば、日本の拉致問題の解決にも影響が予想される。

来月、北朝鮮では故金日正主席誕生100周年、朝鮮労働党代表者会、人民軍創建80周年と行事が続き、この機会を利用して金正恩氏が総書記や元帥の座に就き、名実ともに最高司令官になるとの見方がある。そして、韓国では総選挙が来月、大統領選が12月に行われる。日本にとっても来月以降の朝鮮半島の動きは重要である

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