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相続放棄の熟慮期間の延長がまもなく満了を迎える。早い対応を! [相続・遺言]


今年6月に民法の特例法が施行され、東日本大震災の被災者の場合に相続の承認または放棄をする期間(熟慮期間)が本年11月30日まで一律に延長された。その延長期間も満了日が近づいている。早めの対応をお願いしたい。

東日本大震災では親族が突然亡くなり、本人から財産関係の事情を知らされなかったり、関係書類が紛失したりして、死亡した親族の財産や負債の詳細が分からないケースが多く見られた。相続を放棄すべきかどうか判断できないまま熟慮期間の3か月が過ぎてしまい、知らぬ間に多額の借金を相続してしまう可能性があった。

そこで今年6月、国会は民法の特例法を成立させ、主に東日本大震災で親族を亡くした被災者を対象に、相続放棄の判断期限を本年11月30日まで延長した。このおかげで、相続人は11月末まで、死亡した親族の財産関係を調査して相続を放棄するかどうか、適切に判断する時間的余裕が与えられた。

しかし、その延長期間もまもなく満了する。相続放棄を検討すべきであるにもかかわらず、これに気づいていない被災者が依然として多いのではないだろうか。今月末を過ぎてしまうと、被災者が不合理な債務を負担する事態にもなりかねない。今一度、被災者の相続問題について注意を払い、熟慮期間の伸長を家庭裁判所に申請するなどの手続きをとる早い対応をお願いしたい。