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今月22日から二重ローン問題を解決するためのガイドラインが運用されます [お金・税金]


【Q】東日本大震災の被災者が抱える「二重ローン問題」を解決するためのガイドラインが今月22日から運用されると聞きました。このガイドラインは誰がどのような目的で作成したのですか?

【A】これは「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」と呼ばれており、全国銀行協会にある研究会が策定しました。住宅ローンなどを抱えた被災者と金融機関との話し合いをすすめ、ローンの全部又は一部を免除することなどを内容とする債務整理を公正かつ迅速に行えるようにするのが、ガイドラインの目的です。


〔ちょっと解説〕

 住宅ローンなどを抱える被災者は再スタートに向けて困難に直面しています。そこで、政府は今年6月17日、二重ローン問題への対応方針を取りまとめました。これを受けて7月8日、一般社団法人全国銀行協会に「個人債務者の私的整理に関するガイドライン研究会」が発足しました。この研究会には、銀行などの金融機関の関係者、学識経験者、弁護士などがメンバーとなり、財務省や金融庁などの省庁もオブザーバーとして参加しています。

 そして、研究会は7月15日、「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」を策定し、今月22日からガイドラインの運用が開始されます。これは、自己破産のように裁判所が関与する手続と異なり、債務者と金融機関と間の合意で債務(ローン)を免除するなどして債務者の負担を軽減するためのガイドラインです。

 ローンの返済ができなくなった人(債務者)が再スタートするには「債務整理」を行う必要がありますが、自己破産のような裁判所が関与する手続は多くの人にとって抵抗があります。ましてや震災の影響でローンの返済が困難になった場合、自然災害が原因なのだから自己破産という事態は極力避けたいのではないでしょうか。できることなら、貸し手側(銀行などの金融機関)との話し合いで解決したいと思われることでしょう。

 この話し合いが公平で円滑に行われるためには、あらかじめガイドラインがあると役に立ちます。そこで、住宅ローンなどを抱えた被災者と金融機関との話し合いをすすめ、ローンの全部又は一部を免除することなどを内容とする債務整理を公正かつ迅速に行うための指針が、このガイドラインです。円滑に債務整理が行われて被災者の生活再建を支援し、ひいては被災地の復興や再活性化に役立てようというのが目的です。

 このブログでは引き続き、ガイドラインの詳しい内容を紹介していきます。


<ご注意ください!>

このブログは個々の事案の法律相談を行う趣旨ではありません。一般論として法律の話をするブログです。このブログだけを見てご自身が抱えている法律問題を解決しようとしないでください。必ず最寄の弁護士会や法律事務所に行って詳しくご相談ください。

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