トランプ大統領の“反乱の扇動”容疑は、刑事裁判であれば無罪になるだろう [アメリカ法]
アメリカ下院はまもなく「トランプ氏を弾劾訴追する」と決議する見通しだ。2度にわたって弾劾訴追される初の大統領となるだろう。
弾劾理由は「反乱の扇動」だ。議事堂襲撃事件の直前、トランプ氏は支持者に対して演説し「我々は大差で大統領選に勝った」と根拠なく述べたうえで、「もしあなたたちが戦わなければ、この国はこれ以上もたない」と発言。トランプ氏は議会への暴動を煽ったと結論づけた。
しかし、本当にトランプ氏は「反乱の扇動」をしたのであろうか?
アメリカ連邦法の“刑法”によれば、議会や政府機関に対する反乱や暴動を煽った者は、10年以下の禁固や罰金に処される。また、有罪になれば、以後、大統領を含む政府の役職に就く資格を失う。
そこで問題は、トランプ氏が「反乱や暴動を煽った」といえるかだ。確かに、トランプ氏は、大統領選で不正があったと裁判で何ら立証されていないのに、そのような主張を繰り返し、支持者に議事堂に向かって行進するよう呼びかけた。
しかし、上記の弾劾理由とされた発言の後に、トランプ氏は「平和的かつ愛国的に意見を届けるため、議事堂に向かって行進していこう」と呼びかけている。ここまで演説を聞けば、トランプ氏が暴力を望んでいなかったことが分かる。支持者に反乱や暴動を煽ったと結論づけるのは疑問が残る。刑事事件であれば、おそらく無罪になるであろう。
ただし、弾劾裁判は刑事事件とは違い、刑法の犯罪になるかどうかではなく、大統領として適格かどうかを審理する場である。大統領は就任時に「憲法に従って誠実に職務を遂行する」と国民に誓っている。その誓いを裏切る行為があれば、犯罪にならなくても、弾劾裁判で有罪とされてしまうのである。
今後行われる上院での弾劾裁判は、民主党や共和党の政治的思惑が交錯するため、どのような結論に至るか、まだ見通せない。今の段階でいえることは、たとえトランプ氏の行為が刑法上の犯罪にならないとしても、議事堂襲撃事件で5人が死亡し、警官60人以上を含む多数が負傷した結果に対してトランプ氏に政治的な責任が生じるということだ。
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2021-01-14 06:08
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